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航空政策

2013年11月 2日 (土)

11月1日国交省に申し入れしました

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淡路上空の迷惑飛行を改善せよ

111日、今年も「淡路の空を守る会」と「神戸空港の中止を求める市民の会」の皆さんとともに、計8人で国交省に申し入れに行きました。窓口になったのは大阪航空局 空港部 関西国際航空課・大阪国際航空課(ああ~ややこし)の大久保課長補佐で、応対したのは航空局中西課長以下5名でした。事前に(二週間前)申し入れ、要望内容をメールしていたので、それに対する回答を聞く形になりました。


 まず淡路からは、迷惑飛行の改善を求める要望だったのですが、「安全のため飛行ルートの変更や低空飛行になる場合がある」と昨年同様の回答で「安全を振りかざせば迷惑飛行やむなし」が通用するかの態度でした。

また会が毎年きめ細かなデータを具体的に添付しているにもかかわらず、現地調査をしている様子はなく、淡路の住民がとりわけ深夜、早朝の騒音にいかに苦しんでいるのかは全く理解していませんでした。そんなことで、改めて会として現地調査を要請し、改善策を具体的数値で示すよう強く要求しました。関空の騒音被害を一番受けている淡路の住民としては当然の要求だと思います。 

神戸空港の中止を求める市民の会の追及にだんまり

 次に神戸からは、神戸空港の民営化、経営状態、そして規制緩和に関して国交省としての見解を問いただしたのですが、「設置管理者(神戸市)の問題、三空港懇談会の方針の問題」として昨年同様、国交省としての責任回避に走りました。

しかし

2006年の開港時には「三空港懇談会」など存在せず、すべて国交省の指導や規制に従ってスタートし、現在もその規制のままである事実を告げると中西課長はしどろもどろとなり、だんまりとなってしまいました。

今年は「神戸空港の破綻の責任は神戸市だけではなく国交省にあり」を事実上認めさせる結果となり「大阪航空局で返答出来ないのなら、国交大臣から回答せよ」と要求しました。

当然のことですが、神戸空港は神戸市が勝手に造ったものではありません。責任官庁としての国交省の立場は明らかです。

官民ファンドとオスプレイの八尾空港訓練について質問

 最後に私たち「大阪の海と空を戦争に使わせない会」から、新関空会社が

2014年度までに関空と伊丹の運営権の売却を目指していることに関し、新たな「官民ファンド」を作り、運営権を買う会社を支援することが閣議決定されたのですが、破綻が明らかな会社になぜさらに巨額の国税を投入するのか、納税者としてまったく納得出来ないこと、また売却出来たとしても、12千億円の負債返済にはまさに「焼け石に水」であり、新関空会社としてまったく展望が見いだせないことを追求しました。

これに対し中西課長は「官民ファンドのことは知らない。売却は早ければ
2014年度だが情報は少ない、売却価格はマーケットの状況次第」とまさに他人事。おしりに火がついているにもかかわらずこの危機感のなさはひどいものでした。

また売却にはいわゆる外資規制はないとのこと、外資系の巨大ファンドに翻弄された挙句「関空沈没」もありえるのではないでしょうか。


 そして八尾空港でオスプレイの訓練が目論まれていることに触れ、国交省の見解を問うたのですが、石岡管理課長は「防衛省が調査していることで、現時点では航空局としてどうこう言う立場ではない」とまさに役人答弁そのものでした。

こちらから、日本の空港や港湾施設は日米安保で、米軍の都合で自由に使用されていることを指摘し「国交省は管理者として(使用不可の)意思表示をしておくべき、そして空港の安全を守る責任があることを知っておいてください」と結び申し入れを終えました。


 予期していたことですが、今年も「誰が何に対して責任を持っているのか」がまったくつかめずに終わった気がしました。しかし「暖簾に鉄砲」でも、これからも粘り強く交渉を重ねていくことの大切さは実感した次第です。(Y)

2013年3月 3日 (日)

新たに税金投入!官民ファンド

1332 今朝の朝日新聞で安倍内閣が、成長戦略の一環として新たな「官民ファンド」を作る法案を閣議決定した。「民間資金等活用事業推進機構」というそうだ。「公共施設を運営する事業会社に出資したり融資したりして、民間企業の投資をバックアップするのが目的」という。これだけではよくわからないが、朝日新聞によると具体的に関西空港会社バックアップするために税金を新たに投入するためだというのだ。なんということか。
 すでに繰り返し当ブログでも明らかにしてきたように、この10年にわたって政府(ほとんどは自民党政権)は関空会社には毎年45億円から90億円の「助成金」を投入してきた。私たちの税金だ。それでも、赤字を抜けきれない。この3月にも12年度76億円の赤字を見込む。LCC導入で大幅に便が増えたと言われながらこうなのだ。
 これでは1兆円近い有利子負債の問題というお荷物を解決できないことから、昨年、大阪空港と合併し、空港の運営権を民間に売却しようとしているが、このままでは上手くいかないことが早くも明らかになってきたことから新たな支援策が閣議決定されたのだ。
 関西空港に私たちの税金を垂れ流す前に、多くの湾岸住民の反対を押し切り、大阪空港の公害対策なるペテンを弄した関西空港の建設自体の誤り、巨額の資金を投入して大阪湾を埋め立てて進めた誤りを認め、その国家犯罪を関西の住民にまず謝罪するべきではないのか。
 安倍政権が生活保護費をはじめとした福祉の財源を削減して、多くの人々のくらしと命を削ろうとしているだけに、このような野放図な関西空港への救援策に私たちは怒りを込め反対する。とんでもない。ここに安倍政権の反動性と犯罪性を見て取らねばならない。

2012年8月31日 (金)

関西空港へのLCC導入によって起こった神戸空港の現状

2012  関西空港にこの3月、全日空系ピーチ社が就航した途端に、神戸空港の利用客が減少し、スカイマーク社が存続の危機に陥っています。

 予想されたことでしたが、余りにも影響が出るのが早いので驚いています。4月以降のスカイマーク社の搭乗率がこれまでの最低を記録し、明らかに採算割れを起こしています。

スカイマーク社は慌てて熊本便などの一部撤退を明らかにしていますが、そんな手直しで済む事態ではないでしょう。この8月にジェットスター社が「関西空港も拠点とする」と発表し、スカイマーク社の神戸空港便とまともに競合していくことを明らかにする前のことなのですから。

この事は、関西地域がもつ航空需要が、関空、伊丹、神戸の3つの空港が存在することに耐えられるほど大きくはなかったことを何よりも示しています。関西空港がLCC(格安航空会社)の拠点となることで生き残ろうとしていますがはたしてそうなるのか大きな疑問です。

もちろん、マレーシア、韓国、中国、オーストラリアなど海外からの
LCCの就航によって関西空港の利用便数、利用客がともに伸びていることは事実です。これは主に海外からの観光客の増加が中心です。ですから、橋下大阪市長や大阪府が大阪市でのカジノ構想を重視しています。しかし、それだけでは不十分でしょう。国内のLCCが如何ほどそれぞれの伸びを保障するかが重要なポイントになることは明らかです。

ところが、LCC各社が新規路線として開拓しようとしている航路は、千歳、福岡、那覇を中心に、多くが従来からのレガシーキャリア(注)が主要路線としている航路です。確かに格安運賃で一定の需要の喚起が起こっていることは明らかでしょう。

しかし、ジェットスターが就航以来、わずか
51日間で9便も欠航しているのは、天候などの理由があるにしろ過密な成田空港などレガシーキャリアが主要に使っている基幹空港を使うことによって起こっています。

 アメリカ、ヨーロッパで
LCC1980年代以来急激にその需要を伸ばしていったのは、地域の基幹空港を避け、セカンダリー空港と言われる空いた空港を利用し、レガシーキャリアがカバーしていなかったまったく新たな需要を喚起し伸ばしていった、これをLCCのビジネスモデルの基本としたことが大きな理由だと言われています。

まあ、関西空港は、レガシーキャリアが敬遠した(
JALANAも欧米便を飛ばしていない)ことによって正にセカンダリー空港、ガラガラの空港ではあります。しかし、それだけでは不十分です。LCCとして新たな需要を生み出すのではなく、千歳、福岡、那覇など過密な状況にある基幹空港と結ぶことでは、レガシーキャリアとの需要の奪い合いでしかなく、先行きの伸びは限られてしまいます。

このことと冒頭明らかにした神戸空港の現状から推察される関西地域の航空需要は小さいという問題が重なって関西空港の将来は、LCCの拠点空港になると言っても明るいものにはなりません。

しかも、LCCの拠点空港であることを維持するためにLCCの着陸料の減免を国からの補給金と大阪空港の年間40億円とも言われる利益を注ぎ込まなければならないのです。そうしなければ黒字にもならない現状なのです。LCCの便数が増えることは、この補給金問題を拡大こそすれ、改善する目処などあろうはずがありません。

この現状では、2014年までに体質を改善し、1兆円を超える価格で関西空港の営業権を民間に売るなどという今回の関西空港と大阪空港の統合劇の目論見など正に「取らぬ狸の皮算用」よろしく、破産することは明らかです。

そこへのカジノの建設やリニアモーターカーの建設などという巨額の投下は、かって行われた公共事業による利権あさりと同じものであり、断じて許されません。そして、デタラメな「皮算用」による関西空港の延命策は、巨額の税金の無駄遣いであり、見直されるべきです。

私たちは、関西空港に反対してきたその原点を見直し、現状、進められようとしている関西空港の延命策に批判と反対の声を上げていかなければなりません。

(注)レガシーキャリア = LCC(格安航空)のビジネスモデルに対して、旧来の経営モデルで運行されている航空会社を指す。レガシーは「老舗」という意味。

2011年11月22日 (火)

大阪の中心で関空反対を訴え

11月20日、大阪市の浪速公園で、「関西空港反対」集会を開きました。主催は淡路町空港反対同盟・新空港反対東灘区住民の会・関西空港反対明石住民の会と私たち大阪の海と空を戦争に使わせない会の4団体です。

まず主催者を代表して、「新空港反対東灘区住民の会」の山本代表が挨拶をされました。

山本さんはまず「沖縄、三里塚、福島で大変な状況にあるが、我々はその闘いの先頭に立つ覚悟をしなければならない」と19日エルおおさか南館で行われた「沖縄意見広告」集会の様子を話されました。

私も参加しましたが、沖縄から訪米団を送って直接アメリカ国民に訴えるという話を聞いて、「すごーい」と思いました。

山本さんは三里塚、若狭の原発についても話されたあと、「関空の統合は税金の垂れ流しであり何の展望もない」「この状況は必ず戦争に繋がる」、「TPPは絶対に許さない」と提起されました。「この分だとまだ92歳までやれそうだ」とお元気に話され、会場から笑いと激励(こちらが激励されたかも)の拍手が起きました。

連帯の挨拶として、「風を起こす女の会」から、経産省前テント広場で福島の女たちが座り込みを行なったのに合わせて、大阪からも駆けつけともに闘った様子が報告されました。 また先日、私たち「海と空」が主催した大阪城周辺戦跡巡りに参加した想いを語られました。そして大阪港、関西空港を戦争に使わせないために、これからもともに頑張って行きたいと決意と連帯を表明されました。

続いて関西合同労組大阪支部 が発言しました。まず関西空港と大阪空港の統合について、税金を垂れ流し、市民の生活と平和を脅かすものだとキッパリ。そして「大阪都構想」については、小泉構造改革路線の大阪版であり市民生活を破壊し市民の財産を売り飛ばそうとするものだと話しました。

そして労働法で保障されているはずの様々な権利が奪われ、職場の安全が破壊されてきている現実を、郵便局で働く仲間の具体的な例を上げて話しました。 最後にTPPが何をもたらすかを明らかにして絶対に反対していかねばならないと訴えました。

部落解放同盟全国連合会からは、予定が重なり参加できないということでメッセージをいただき、司会が代読しました。三里塚芝山連合空港反対同盟からもメッセージを頂いていたので司会が代読しました。

次に、「ヨッシー高槻」こと高槻医療福祉労組委員長の吉岡さんの歌と演奏が行われました。体調不良だったとは知らず、しつこくお願いしてしまい、申し訳なかったのですが、いつもながらの軽妙なMCと熱唱で場を沸かせてくださいました。ありがとう~~。

つぎに、主催者からのアピールです。

20111120yanaga トップバッターは、わが 「海と空」の弥永さんから。
「関空は、統合しようがどうしようが破綻した空港なのだ」「もう何十億というような税金の投入をやめて欲しい」と訴えました。

「1兆3千億円の負債は返済不可能だ」「LCC導入のために来年だけで100億円もの新たな借金」「発着回数、旅客数、貨物量、いずれもが東京一極集中のために成田空港の半分前後にしかならない」「大阪府の関空関連3セクが相次いで倒産している」「統合は関空の破綻をごまかして先送りするだけだ」「1兆3千億と心中する企業などあるはずがない」「獄門島と言われるLCC、関空の労働実態は安全性を無視したものだ」「リニアモーターカーなどいったい誰が乗るか。こんな赤字が確実な工事を絶対に阻止しよう」と具体的に明らかにして関空反対を訴えました。

続いて関西空港反対明石住民の会から高木さん。
「空港反対を長く闘ってこれたのは三里塚とのつながりがあったからだ」「支援すると言いながら、活を入れられている」「三里塚の闘いの中には、今の原発、TPPの問題、農業の問題、労働者の問題が全て含まれて40数年、今も続いて闘われてきた」「今こそ三里塚を訴えていこう」「長生きしてとにかく声を上げ続けていきたい」と話されました。

20111120nagaiこのあと、まとめのあいさつを淡路町空港反対同盟代表の永井さんがされました。 永井さんは「40年以上前に淡路空港反対の旗揚げをした頃を思いだす」と。そして「淡路を第2の三里塚に」と訴えて闘いを始めた若いころのことを話されました。

1969年の大阪空港騒音訴訟の支援の話しから、騒音のもたらす「受験生の自殺」などの問題を。泉州に候補地が移ってからも「騙されたらあかん」と闘いを続けたことなど。こうした闘いができたのも、当初から三里塚反対同盟が来てくれて応援し、「一坪運動など」を指導してくれたことがあったからだと。「三里塚のように闘おう」と決意して闘い続けてこられたことを話されました。 そして「4000メートル滑走路など民間空港にはいらない」「軍用空港だ」と関西空港の実態を明らかにされました。

 最後に、淡路町空港反対同盟の安藤さんが音頭をとって団結ガンバローを行なってデモに出発しました。

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デモが出発というとき、公園の入り口で飛び入り参加の若い女性がいました。最後までデモしてくださり、ビラも熱心に読んでくださってとてもうれしかったです。また、参加してくださいね。

デモは日本橋の電器屋さんがならんだ通りを北上し、千日前通りにぶつかったところで左折。ちょっと行ったところで団結ガンバローをして終了しました。今回デモ隊と平行して歩きながら沿道の方々にビラを配ったのですが、
デモが注目されていたからでしょか、受け取りがすごく良かったです。
これがそのビラ→「112220endou2.pdf」をダウンロード 
このあと有志で交流会という名の飲み会を行い、お互いの労をねぎらい、
親交を深めました。しかし、よく飲みますねえ。のんべばっかりです~。

2011年10月31日 (月)

10月27日に大阪航空局へ申し入れ

 10月27日(木)「淡路の空を守る会」「神戸空港の中止を求める会」と共に大阪航空局に申し入れに行きました。

 こちらは総勢8名、航空局側は5名で、主に空港部関西国際空港課の永友課長と保安部管制課の船山課長が我々に応対しました。

【騒音問題について】

 まず淡路からは主に騒音問題に関して申し入れました。ひとつは大阪空港との統合後も新会社にいわゆる「三点セット」を厳守させること、そしてもうひとつは、相変わらず陸上飛行や低高度飛行などの約束違反が常態化しており、高騒音の被害が出ている現実を改善してほしいと要請する2点でした。

 特に来年からのLCC(格安空港会社)の就航により、深夜早朝便が増えれば被害がますます増える可能性があります。

 これに対し航空局は「安全性のためや気象状況により、また飛行機の性能の問題でやむを得ず陸上を飛行する場合がある」とか「国際旅客便は重たいので低高度になる」と違反飛行を弁解していましたが、それが判っているのなら、約束を守れそうにもない便は最初から飛ばさないというのが筋というものではないでしょうか。

どうもそのあたりは「黙認」しているふしがあります。これでは淡路の住民はたまったものではありません。「運営会社に三点セットを守れと指導してほしい」という要望にも渋々うなづいただけでした。

【大阪湾の環境破壊と神戸空港】

 次に神戸からは、市民の会が長年にわたり調査を続けている神戸空港建設による大阪湾の環境破壊に対する国の措置の要請と、「関西三空港」の中での神戸空港の立場の見解を問いました。

 これに対して航空局は「空港の維持管理とか環境対策などは神戸市がすべきことで答える立場にない」とまるで他人事のような回答でした。

しかし神戸空港は神戸市が勝手に造ったものでも、勝手に造れたものでもありません。需要予測や環境への影響など総合的に判断して建設を認可出来るのは他でもない国です。

当然にも国はその結果に対して大いに責任があるはずです。それを「答える立場にない」とは・・まさに無責任極まりない話です。また「三空港問題」の論議も(元)政務官に責任を転嫁させて国として「聞く耳もたず」の態度でした。

【関空破綻の責任追及】

 そして最後に私の方から、統合は1兆3千億の関空負債をまた国税で救済するもので納得出来ないこと、また「運営権」を民間会社に売却することに触れ、「どうみても採算が取れるとは思えないが、どのような企業が名乗りを上げると考えているのか」と、そしてLCC就航の裏にある安全性の低下をどう考えるのかなどを質問しました。

 これらに対しては「(関空の経営が好転しないのは)9.11テロやリーマンショック、そして今回の大震災などで客足が思うように伸びていないから」と説明がありましたが、これはまさに詭弁という他ありません。

確かにそれらは大きな事柄で関空にも影響があったであろうことは推察出来ますが、しかしそれらによって「1兆3千億」が大きく左右されるような話ではありません。また「運営会社はまだ名乗り出ていません」と臆面もなく答えましたが、来年7月1日にスタートすることが閣議決定されている大事業に、この時期におよんでも名前すらあがっていないなど考えられません。

もっとも仮に大企業が数社名乗り出て共同経営したとしても、まず採算は取れない、それどころか、それらの企業母体そのものが沈没してしまいかねないのではないでしょうか。

そんな「火中の栗を拾う」企業などあるとは到底思えません。結局どこかの国の債務不履行のように、彼らは最終的にはやはり「国が面倒をみてくれる」と「期待」しているのでしょう。だから平然と「まだ名乗り出てません」と言えるのだと思います。

 一番驚いたのは(失笑を買ったのは)、毎年90億とか75億の補給金が国から投入されていますが、その金額の根拠を問いただしたところ、「それは霞ヶ関が決めることなので・・私達も新聞報道などで知るんです」とあ然とする答えが返ってきました。

巨額の国税を投入するのに、当該の関空会社やそれを監督指導する立場の大阪航空局との折衝など一切ないということです。驚く他ありません。まともな審議もなく政治的な利権操作のみで巨額の税金が動いている実態を垣間見た気持ちでした。

 最後に私達が「関空破綻の責任をどう考えているのか!」と詰めよりましたが全員沈黙、時間切れとなりました。総じて応対は普通でしたが、中身は言い訳と責任転嫁ばかりという印象でした。これからも不断に追及していかなければと思いました。(会員Y)

2011年8月30日 (火)

JALの不当解雇撤回裁判原告団・団長の山口宏弥さんのお話

8月28日、JALの不当解雇撤回裁判原告団・団長の山口宏弥さん(ボーイング777機長)のお話を聞く機会がありました。

2010年12月31日に165名が不当解雇され、そのうち約9割の乗員74名(現在76名)、客室乗務員72名、計148名の方が2011年1月19日に東京地裁に提訴して闘っておられます。

お話を聞いているうち、JALの不当解雇は整理解雇の4要件をないがしろにするというだけでなく、利益のみを追求する経営姿勢が空の安全をもおびやかしていること、また、儲からない路線は撤退するなど利用者に不便を強いていること、その背景に日本のでたらめな航空政策があるということが分かってきました。以下、山口さんのお話の要約です。

          

 解雇の対象者は病気40日以上と年齢です。会社は3年の計画を1年に切り縮め、ジャンボ機50機を3年で売却すると言っていたのを、いっきに売ってしまった。

それで機長、副操縦士が600人“余剰”人員になった。そこで始まったのがスケジュールはずし。いわゆる“かくり部屋”。年齢と病気で選別された(山口さんは年齢。定年まであと1年ちょっとだった)。賃金は払われるが飛行機に乗れないので技量が維持できない。整理解雇されたら、さまざまな不利益があると職場でささやかれるようになり、辞めざるをえない人も出てきた。

日航本体の削減目標1500名に対して希望退職者が1733名に達し、削減目標が達していたにもかかわらず、12月31日の時点で乗員81名、客室乗務員84名全員が年齢と病気欠勤を理由に整理解雇された。

 裁判は乗員が日本航空乗員組合、客室乗務員が日本航空キャビンクルーユニオンとしてそれぞれ提訴。

 パイロットという仕事は期間があくと再訓練期間が必要になるので(定年まで3年ないと再雇用はむずかしい)、東京地裁には「迅速な裁判」を求めている。

今までに乗員、客室それぞれ4回ずつの裁判が行われ、この9月いよいよ証人尋問が行われることになった。

乗員は9月5日、26日、客室は9月16日、9月30日の10時から17時まで。

9月30日の客室乗務員の裁判(東京地裁)には稲盛日航会長が証人としてでることになった。

しかし、稲盛会長は9月5日の乗員側の証人申請には「外国に行ってるから無理」といいながら、実はウソだということが新聞報道で分かったり、1月の提訴時点で「提訴になっても誠心誠意話し合う」と言いながら、5度にわたる要望書にも応じない人物。

2月8日には驚くべきことに日本記者クラブでの講演で「165名を残すことは経営上は可能だった」と不当解雇であることを認め開き直っている。

2月8日日本記者クラブでの稲盛会長発言は下記のサイトでご覧になれます。アッと驚く問題発言は1時間8分過ぎ。
http://www.youtube.com/watch?v=LrXO5XomGAo11828_2

  裁判は法律的には勝てるものだが、(そういう判決がでたとして)法廷外で訴えて世論のもりあがりを背景に一審判決を守らせ、現職復帰を獲得したい。世論といえばマスコミはひどい。整理解雇まではさんざん報道をしながら、整理解雇が行われたとたんにほとんど報道しなくなった。日航が全面広告を打ってから。

 整理解雇の4要件でいえば

人員削減の必要性…稲盛さん自身が経営上問題ないと言っている。本来ならこれで勝負ありのはずだ(右写真2010年度、過去最高の営業利益)

解雇回避努力を尽くしたか…解雇の回避努力をしようとせず、組合からのワークシェアリングや一時帰休などの提案も無視し、出向や再就職支援も全くしなかった。

対象者の人選基準は合理的か…解雇対象の人選基準が、年齢と病歴、組合経験など、明らかに労基法、国際人権規約、ILO条約などに違反している。経験豊かなベテランを辞めさせるのは営利優先、安全軽視の姿勢だし、病欠歴、休職者を対象にすることは、体調が悪くても休めないことになる。結果、航空の安全を担保できない。(パイロットが風邪薬を飲めるのは搭乗の24時間前まで)

稲盛会長になってから副操縦士が機長になるなどの上級へ行くための訓練をしなくなった。稲盛にとっては訓練はプラスにならない。そのようにして団結させない。機長が辞めたら他から経験者を連れてくるやりかたなので若い人に展望がない。それで辞める人もいる。

手続きの妥当性…組合提案を検討せず、結論を変えない説得団交に終始した(誠実交渉義務違反)。解雇予告者に対し、仕事はずし、退職強要。組合の争議権投票に支配介入。

昨年11月、日航の更生手続きを行うために選ばれた管財人、企業再生支援機構が「整理解雇を争点とする争議権を確立した場合、それを撤回するまで企業再生支援機構は3500億円の出資は出来ない」として、不当労働行為を公然と行った。

更生手続中であっても労働者の権利が制限されることはない。 

8月3日、この件について東京都労働委員会は支配介入として認定し、日航に乗員、客室両組合に対する謝罪文の交付と同文の掲示を命じた。

しかし、日航は行政処分であるのに応じようせず、提訴の方針を打ち出してきた。

日航はこれまでも数々の不当労働行為、客室乗務員の昇格差別、さらには9862名におよぶ客室乗務員の個人情報収集の実態が明らかになった「JAL客室乗務員監視ファイル事件」など異常な労務姿勢が断罪されてきている。

 こうした事の背景に日航の経営破綻がある。

原因として

日航の放漫・乱脈経営

・長期ドル先物予約で2200億円の損失
・ホテル・リゾート開発の失敗で970億円の損失
・約250社の関連会社に役員が天下り、本社経営を圧迫

航空行政の誤り

・航空機燃料税、着陸料などの公租公課(1500~1700億円)
・空港整備勘定を財源に不採算空港を乱造。大手に就航させる・参入規制、運賃規制の緩和で内部補助が困難に(LCC=格安航空との競争)。

日米貿易摩擦解消の圧力

・10年間で430兆円(後に630兆円)の公共投資(福島、佐賀、大館、中部など新空港建設、滑走路延長工事=2500mに。)
・ジャンボなど大型機材の大量購入(113機のジャンボJETを購入)。

 公共交通機関としての在り方が問われている。公共交通機関として、国民の交通権を守る立場から、政治の責任としてJALの再生がなされるべきだ。

安全アドバイザーグループが「財務状態が悪化したときこそ『安全の層』を厚くすべき」と提言、しかし稲盛会長は、「(これまでは)『安全が第一で利益は二の次』だった」(1月19日)「利益を出して余裕がなければ、安全を担保出来るわけがない」(5月16日付、日経ビジネス誌インタビューで)とコスト、利益優先。。

安全のためには、経験豊富なベテラン・熟練技術者が必要。「ハドソン川の奇跡」も経験を積んだ熟練の操縦士と客室乗務員によって短時間に旅客を救出できた。

儲かる路線だけ残すということは、旅客の利便性が低下する。また、機材の小型化で座席利用率(収益性)が向上しているため、乗客にとっては乗りたくても乗れない事態になっている。

          

最後に、11月の結審、来春判決の見通しを語られた上で、負けない、勝つまでやりぬくと支援を訴えられて1時間あまりにわたる熱弁を終えられました。